会議で存在感を出す方法
皆さんは、仕事ができるかどうか、何で見分けられると思いますか?
私は、大部分が会議に集約されていると思うのです。
会議での発言によって、どこまで理解できているかはもちろんのこと、この先どこまでを見渡せているかまで周りに伝わります。
その、理解度と、先々まで見渡せている範囲によって、仕事ができる、またはできない、という印象を持たれます。
もちろん、自分が得意とする領域と、全然知らない領域では捉えられ方も違ってくるとは思います。
得意な領域であれば、皆んなの議論を引っ張って当たり前でしょうし、全然知らない領域であれば、鋭い質問ができれば、それだけで、できるな!となります。
ここでは、「こいつ仕事できる!」に繋がるような、どちらかと言うと、得意で無い領域で存在感を出していくための戦略を考えます。
さて、それでは、本文に入ります。会議での発言力にはどのようなレベルがあり、そのレベルを自己診断し、レベルを上げていくために必要なアクションは何なのかを明らかにしていきます。
会議での発言レベル
まずはレベルの全体像を定義します。全部で4段階あります。これまでに経験してきた会議を全て総動員して書きました。
なるべく汎用的な表現を心がけたつもりですが、領域によって、異なることがあるかも知れません。
前提として、議題の発案者では無い、とした時の定義で書いています。発案者であれば、少なくとも議論できるレベルは当然ですので。
レベル1.議論の内容が理解できる
最も基本的なレベルです。新入社員は、学生時代に起業していたなどを除いて、基本的にはこのレベルにも満たないので、レベル0からスタートです。
レベル0の人は、まずはこのレベルを目指すことになります。ただし、この時点では、会議中の存在感は一切ありません。具体的には、以下のような行動レベルです。
- 会話の内容が分かる
- 論点が分かる
- 議事メモを取れる
- (単語レベルで分からない言葉があっても、文脈から想像できればオッケー)
レベル2.一言でも発言ができる
続いて、少しだけ存在を示せているレベルです。決して「存在感」がある訳ではありませんが、「いたの?」とは言われにくいです。
発言と言っても、何でもかんでも言えば良い、ではなくて、意味のある発言、を指していて、「お前もうしゃべるなや」とならないレベルを言っています。質問でもオッケーです。
入社して1ヶ月後には、このレベルに達していたいものです。具体的には、以下のような行動レベルです。
- 論点に対する想い、より良くしたい意識を持ち、自分の意見を持っている
- 自分の意見=発言が全体にとって意味があるかどうかを判断できる
- 今これを言うと場がどうなるか、が想像できる
レベル3.発案者と議論できる
一言だけではなく、往復で会話できるレベルです。ここまで来れれば、なかなかの存在感を出せていると言えます。
上にも書きましたが、得意な領域であれば、ここまでは当たり前のようにできると思います。得意でない領域でもできれば、このレベルだと胸を張って言えます。具体的には、以下のような行動レベルです。
- 意見のメリットデメリットが分かる
- 議論を構造化して整理できる
- 的を外すような発言はしない
- 何を決めれば良いかと、その決め方が分かっている
- (会議をファシリテートできるレベル)
レベル4.意思決定できる
その場にいる誰よりも、視野が広く、思考が深く、議題について良く把握できている必要があります。
得意でない領域でも、意思決定ができれば、本当の一人前です。
- 他者が納得する説明ができる
- 他者から意見を求められる
- (リーダー、管理職のレベル)
現状レベルの把握
通常の課題解決と同ように、AsIsとToBeを把握できれば、その差分が、解決すべき課題となります。
まずは、4つのレベルのうち、自分がどのレベルにいるのかを把握します。
会議や議題によって、レベルは異なると思うので、それぞれ毎に対策を考えていく必要があります。
改善の打ち手(レベル0→1)
理解できない、から、理解できてる状態を目指します。新入社員や、転職してすぐは、ここのアクションが必須です。また、できているつもりでも、あらためて振り返ると、意外にこのレベルのまま留まってしまっている会議も多いです。
では、どうするか?
議事録を書く→分からないことを聞く
これの繰り返しです。議事録で追いつけなければ、録音を取って聞き、不明点を解消すべきです。
会議が終わってから、一人で考えてもできないのに、会議の場でできる訳がありません。
膨大な時間はかかると思いますが、やることによる成果は大きいはずです。やるか、やらないか、成長するか否かを分けるのは、いつもその一点です。
改善の打ち手(レベル1→2)
理解はできているが単に座ってるだけ、の状態から、有意義な発言ができるレベルを目指します。
存在感の1歩目ですね。
では、どうするか?
発言している人が何故、発言できているか?を分析する→その要素を自分に実装する
これを繰り返します。
意外に、各論がきちんと分かっていることも重要な要素になってきます。カスタマーアンケートの意見を全て把握できてるとか、競合との差異が説明できるとか…。
他には、発案者の資料が、目的を踏まえた要件を満たしているか、をチェックしていく、という観点もあります。
自分で資料を作る時のチェックの仕方や仕上げ方については、どこかで別の記事にまとめたいと思いますが、資料作成力を鍛える中でも磨かれます。
その他、何かを決めていく時の思考プロセスを追っていきチェックしていくのも有効です。
- 何を決めるのがゴールか?
- 決めるまでのプロセスの今どこにいるか?
- オプション仮説は?
- それぞれのメリデメ、リスクは?
- 何を得たい?何を失いたくない?
- 損失を抑えたオプションは?
改善の打ち手(レベル2→3)
さて、ここからが難しいです。得意な領域では、できている、ということは、得意になるしかないのです。
では、どうするか?
会議後に脳内でひたすら議論する
これを繰り返します。
発言するためには、瞬発力が必要で、最終的には、聞いた話に対して、意見が自動的に出てくるレベルを目指したいですが、いきなりは無理です。
まずは、時間をかけても良いから、脳内で議論ができるようにしていきます。質が担保できてきたら、反応の速さの方を上げていきます。
改善の打ち手(レベル3→4)
これができて初めて、チームのリーダーになれます。起業を目指すのであれば、このレベルに達している領域は複数持っておきたいところです。
では、どうするか?
他の誰よりも広く深く考える
これを繰り返します。
自分の発案でない案件に対して、ですので、非常に難易度が高いです。でも、とにかく、繰り返すしか道はありません。
まとめ
だいぶ長くなってしまいましたが、会議でのプレゼンスは、本当に仕事人生に大きく関わるので、力を込めて書きました。
レベルを上げるための打ち手は、まだまだこれからも思考錯誤しながら増やしていきたいですね。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。