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相手の立場に立って考えるための5ステップ19個の方法

今回は、相手の立場に立って考える方法について書きます。

これまで私は、相手の立場に立って考えるのがとても苦手で、「空気を読めない」、「自分勝手」、「迷惑」など色々と言われてきました。

この半年で余りに言われ過ぎたので、「相手の立場に立って考える」ことについて徹底的に情報を収集し、徹底的に訓練し、「誰よりも相手のことを考えられるようになろう」、「しかもそれって、同じように悩んでいる人の役にも立つはず」と考えたのが、この記事を書こうと思ったきっかけです。

ですので、世の中の「相手の立場に立つ」ことに関する手法は、かなり網羅的に収集しました。更に、自分なりの解釈や、自分の経験から学んできたことも加えています。

また、私が勤めている会社リクルートは、皆さんもご存知の通り、営業が大の得意です。同僚にも当然、その道のプロがいて話を聞く機会があったのですが、営業という職種は、「相手の立場に立って考える」ことのプロでもあります。相手の立場に立てないと、営業成績を上げられないのです。

今回は、リクルートの営業現場で数々の実績を上げている手法についても盛り込んでありますので、実用性にも富んでいるはずです。

この記事をきっかけとして、皆さまの人間関係や人生が、少しでも良くなる方向に変わることを願っています。

前置きが長くなってしまいましたが、相手の立場に立って考えるための5ステップ19個の方法、本題に入っていきます。

ステップ①基本スタンスを身につける

まずは、相手の立場に立って考えるための「基本スタンス」を3つご紹介します。

これがないと、そもそも相手の立場に立つためのスタート地点にすら立てない、というものです。

常に時間的な余裕を持つ

相手の立場に立って考えられない原因のほとんどが、「自分のことしか考えていない」です。なぜ、そうなるかと言うと、相手のことも含めて他のことを考える隙間がない、つまり、自分に余裕がないのです。

相手の立場に立とうとしても、自分のことが頭から離れない状態となってしまっていては、どうしても、相手の頭の中にまで考えが及ばないですよね。

ここで言っている余裕には大きく2種類、時間的な余裕と、精神的な余裕がありますが、まずは1つめの時間的な余裕についてです。

時間的な余裕を持つためのコツは、下記の3点です。

  • 計画を立てる時にバッファを入れる
  • 期限より前倒しして作業を終える
  • 1日のスケジュールにも余白を設ける

とにかく、時間に追われないような計画と実行を心がけることが重要です。

しかし、どれだけ気を付けていても、急なトラブルなど、どうしても時間に追われることは起こり得るし、時間以外にも、自分の余白を削られる要素はあります。

辛いときほど相手の立場に立つと決める 

リクルートの同僚から聞いたコツなのですが、「普通の精神状態の時に、相手の立場に立てるなんて、当たり前で、全然凄くない」と言うのです。

これは正直、彼の美学のようなもので、誰もが真似できることではないのかも知れません。しかし、この話から学べるのは、自分が辛いから、というのは相手の立場に立てない理由や言い訳にはならない、ということです。

また、辛くなること自体は変えられないですが、「辛い時にはこう考える」というルールを決めて守ることを習慣とすれば、気持ちをコントロールすることは可能、ということも言えます。

そして何より、この「辛いときほど相手の立場に立つ」スタンスは、相手に対しても、大きな効果があります。「そんな辛い状況でも私のために考えてくれた」となることがあり、普通の状況の時と比較して、より価値が高まる可能性が高いのです。

相手に敬意を払う

さて、自分に余裕がある状態が作れたら、すぐに相手の立場に立てるかというと、そうではありません。相手の立場に立つ前に、その相手のことをどのように考えているかが重要です。

そもそもバカにしていたり見下していたり、相手のことを大事に考えていない場合には、小手先のテクニックをいくら使ったとしても、相手には伝わるものです。

カーネギーの名著『人を動かす』のなかでも、「盗人にも五分の理を認める」という原則が紹介されていますが、要するに、他の人から見ておかしな言動と見えるものでも、本人にとっては意味があり、理解すべし、ということです。

相手の立場に立つためには、まずは相手に敬意を払い、相手の立場を理解しようとするスタンスを持つことが必要です。 

ステップ②相手のことを深く理解する

ここまで、相手の立場に立って考えるための基本スタンスを3つご紹介しました。ここからは、「相手のことを深く理解するための方法」を4つ、順にご紹介していきます。

相手のことを知らなければ、相手の立場には絶対に立てないので、非常に重要な部分になります。

見えているのは相手の一部であると知る

相手のことを理解しようとした時に、今、自分が見えている特徴が相手の全てである、と思ってしまっては、相手への理解がそれ以上、進みません。

内向的でなかなか自分を出せない人もいると思いますし、たまたまその時期がそういう時期だった、ということもあると思います。

逆の立場でも、たまたま一つの行動を注意されたり責められたりして、それがお前の全てだろ、のように言われると、困りますよね。

相手の一部だけを見て全体を理解した気になって、相手の立場に立ったつもりになったとしても、相手としては納得がいきません。

そのため、自分が見えている相手は常に一部であり、これから紹介する色々な観点で相手を分解していくよう心掛けることが重要です。

これは、相手のことを理解するうえでの基本スタンス、と呼んでも良いかも知れません。  

相手が何を大事にしているかを知る

相手を知る、と言っても、具体的に相手の何を理解すべきなのか、一番はこの「相手が大事にしていること」です。価値観や、大切にしていること、求めていること、こうあるべきと思っていることなど、意思決定をする時の基準、好き嫌いや良い悪いを決める基準のことを指しています。話をするときに、共感して欲しいのか、褒めて欲しいのか、ダメ出しをして欲しいのか、というのも重要な観点です。

相手のために何かをする、何かを言う、とした時に、それが本当に相手のためになっているかどうかは、相手が何を大事にしているかによって変わるからです。

例えば、彼氏が彼女にあげるプレゼントを考える場合、何をしたら、何をあげたら最も喜ぶのか、必至で考えますよね。旅行が良いのかディズニーが良いのか、このブランドが良いのかあのブランドが良いのか、イタリアンか和食か、などなど、彼女が好きな物が何かを知らなければ、最適な答えは出てきません。

また、会社組織で上司に提案することを考える時には、上司が何を基準に意思決定するかを考えなければ、提案は通りません。リスク最小なのか、売上最大なのか、データに基づいている必要があるか、現場のリアルな声が必要か、などなど。

まずは相手が大事にしている価値観を知ることが重要です。

相手の背景や生い立ちを知る

価値観が結果だとすると、背景や生い立ちは、その価値観性格を生み出す原因となります。具体的には、出身地をはじめ、過去に所属してきたコミュニティ、経験してきたスポーツやバイトなどです。相手が日本人であれば不要な場合が多いですが、海外の人が相手の場合には宗教も気にした方が良いでしょう。なぜ原因を知る必要があるのかと言うと、応用が効くようになるためです。

例えば、付き合っている彼女が、「こまめにコミュニケーションを取って欲しい」、という価値観を持っているとします。そして、背景や生い立ちを聞くと、これまで余り大事にされてこなかったためである、ということがわかったとします。その場合、コミュニケーションの回数にとどまらず、「認める」「大事にする」などといった、コミュニケーションの質も大事にしないといけない、と気付けるのです。

また、人の価値観は、状況や環境などによって変化する可能性がありますが、背景や生い立ちは事実として変わることがありません。そのため、環境など価値観に影響する条件が変化した時に、価値観がどのように変わるのかを予想できるようになります。

それともう一つ、背景と価値観の因果関係を知識として蓄積することは、他の人の背景や価値観を予測することにも役立ちます。

相手の良いところ悪いところを知る

特に、相手を過大評価や過小評価してしまい、相手を部分的にしか見れなくなっているような場合に、相手の良いところ悪いところを知ろうと思うことが非常に重要です。

例えば、基本スタンスで書いた「相手に敬意を払う」ことが難しい場合、相手を過小評価してしまい、相手の悪いところしか見えていない可能性が高いです。その場合は、相手の良いところを探すことで、相手の何に敬意を払うべきかが見えてきます。

逆に、能力が高過ぎて恐縮してしまうような相手の場合は、過大評価で良いところしか見えていない可能性が高いため、悪いところを探すことにより、冷静に接することができるようになるはずです。

また、人間誰しも、「褒められたい」「成長したい」という欲求を持っているものです。良いところは褒める、悪いところは改善方法を伝えることで、相手の承認欲求を満たし成長を促せる、という意味でも、把握しておいて損はないでしょう。

 

ここまでで、「相手のことを深く理解するための方法」4つをお伝えしました。相手のことを知る方法として書いたこれらの方法は、重要な観点だけをピックアップしているのであり、これが全てではありません。最初に書いた、常に部分的にしか見えていないのである、という考え方を忘れず、時間はかかると思いますが、根気強く、相手のことを深く理解していきましょう。

ステップ③相手と話す前に準備する

さて、次はいよいよ、実際に相手とコミュニケーションを取る段階に入ります。まずは、「話す前に準備しておきたいこと」を5つ、ご紹介します。ここでは特に、相手に何かを依頼や提案したり、交渉したり、というケースを想定しています。

イスを2つ用意して座り替える

これは、相手の反応を予想するための方法です。

ここまででご紹介した方法を用いれば、相手のことは相当深く理解できているはずです。それらの、相手の価値観、背景、何を感じるかなど、持っている情報を総動員して、相手の反応を考えることが重要です。

とは言え、即座に反応を予想するのは、最初は難しいかも知れません。そんな時に有効な方法は、自分と相手のイスを2つ準備して、物理的に、相手のイスに座ってみることです。

  1. 向かい合わせにイスを並べる
  2. 自分のイスに座り、目の前に相手がいると想像する
  3. 相手に伝えたいことを話す
  4. 自分の席を立ち、相手の席との間に立って自分と相手を両方見る
  5. 相手のイスに座り、自分の話を受け取る
  6. 相手のイスで、感じたことを話す

これらの手順を踏むことで、相手の反応を予想することができます。

自分を動画に撮って相手のつもりで見る

もう一つ、相手の反応を予想する方法をご紹介します。

相手に話すつもりで自分を動画に取ってみて、それを相手のつもりで見てみる、というものです。

自分が話したいことと、相手がそれをどう感じるかを同時に考えることは難しいので、プロセスを分けます。話す時には話すことに集中し、聞く時には聞くことに集中できるので、有効です。先ほどのイスを座り替える方法も、同じ考え方ですね。

この時も、動画を見て自分がどう思うか、よりも、相手だったらどう思うか、感じるかに集中して考えることが重要です。

相手を身近な人に置き換える

初めて接する人や、まだ相手のことをそこまで深くは知らない、という場合もあると思います。そのような時には、身近な人に置き換えると考えやすいです。

例えば職場の同僚や上司、彼女、親など、身近な人のことを思い浮かべて、その人だったらどういう反応を示すのかを考えます。

過去の経験を活用する

ここまで、相手の反応をうまく予想するための方法を色々と書いてきましたが、自分が同じようなことを経験している場合には、それを思い出して活用することが近道です。

例えば相手が傷ついていて、自分も過去に傷ついた経験がある場合、どうして欲しかったのか、何をして欲しくなかったのかなどを思い出して、対処方法を考えると良いでしょう。

否定される場合の理由と対策を考える

提案や依頼のハードルが高い場合など、承諾してもらうことが難しいと予想される場合もあると思います。その場合には、どのように否定されるのか、なぜダメと言われるのかの理由と、それに対して説明するための主張を考えます。

この時、「相手の理由」を考えることが重要です。自分だったら納得するのに、なんで納得できないんだ、となっていては、考えが先に進みません。

自分の主張が正論だと感じる場合には、共感して欲しいと考えてしまいますが、相手が納得しない限り、正論を振りかざし続けても、いつまで経っても目的は達成されないためです。

相手が納得していないのであれば、理由は必ずあるはずなので、納得しない理由をいくつか想像し、それぞれの場合に、何と言えば納得してもらえそうかを考えます。

 

ここまでが、「話す前に準備しておきたいこと」5つです。

最初から振り返ると、基本スタンス3つ、相手を深く理解する方法4つ、話す前に準備したいこと5つで、合計12まできました。残り7つです。

ステップ④相手と実際に話をする

続いては、「相手と話す時に気をつけたいこと」3つをご紹介します。

まずは相手の話を聞いて肯定する

傾聴する、聞き上手になる、と言い換えても良いと思います。特に、自分とは違う意見を言っている場合や、初めての相手の場合に有効です。

なぜなら、自分の意見と違うな、と思った時点で、否定して反論していては、相手の理解を深めることができないからです。相手を知ることができなければ、相手の立場も理解できないのですから、まずは聞くことが重要です。

もちろん、相手や状況によっては、「人の話を聞きたい」という人もいるかも知れませんので、状況次第ではこの限りではないことには注意が必要です。

相槌を打って目を見て話を聞く

私はこれまで、特に家族との会話において、相手の話を聞きながら、別の話を考えてしまって失敗する、ということがよくあったのですが、それは絶対にやってはいけません。

家でも仕事のことを考えてしまい、家族と話ながらも頭を離れないことがよくあるのですが、相手と話している間は、人の礼儀として、真剣に話を聞く必要があります。

至極当たり前のことではありますが、重要なことですので敢えて書いています。

文脈は全く違いますが、前職のアクセンチュアでは、新卒はABCを大事にしろ、ということで、「A:当たり前のことを B:バカのように C:ちゃんとする」とよく言われたものです。

どのようなことでも、当たり前のことでもさぼらず、大事にしていきたいものです。

相手をよく観察する

相手の何を観察するか、ですが、相手の言葉の表現方法から、表情や視線、姿勢など非言語の情報も、些細なことも含めたあらゆる情報を観察します。

こちらが何を言うと、相手がどういう反応を示すのか、予想していた反応がそのまま出ているのか、全く違う反応を示しているのか、見た目は納得しているように見えているが、本当に心から思っているのか、など、事前に準備していた伝え方の精度を検証します。

また、相手に気を配りながら、何か困っていないか?を考えながら観察することも重要です。

相手の立場に立って考えられていない、と言われる原因として、相手が困っていることに気付かないことがあげられるためです。

話しながら、相手が常に話に集中してもらえるようにしていきたいものです。

 

ここまでが、「会話する時に気をつけたいこと」3つです。

 

ステップ⑤想像力を鍛える

いよいよ最後は、想像力を鍛える方法です。想像力とは要するに、相手の反応を予想する力のこと。

ここからご紹介するのは、「相手の反応を予想する精度を高める方法」4つです。

1人の相手で仮説と検証を繰り返す

これまでにお伝えしてきたことを総合的に繰り返し実施していくことです。

相手のことを深く知り、準備して、相手と話してみると、相手を知っていたと思っていたことが実は違った、ということがよくあります。

その時に、その相手の情報自体をアップデートすることはもちろんのこと、なぜ間違った予想をしてしまったのか?を考えて、次に予想する時の考え方に活かしていくことが重要です。

色んな相手と話して共感する

人間は、人によってそれぞれ、反応が変わってきます。1人を相手に深めるとともに、対象の相手も広げられると、予想の幅が広がります。

その時、相手の話にしっかり共感することが重要です。自分も相手と同じ境遇に立っているつもりで、その時の感情や想いを自分も言葉に出してみて、共感していることを示します。 

もちろん、自分が経験したことに少しでもかすっていないと、心からの共感はできないと思いますが、多くの相手の話に共感していくことで、他の聞いた話を例に出して共感できるようにもなってくるため、共感の幅を広げていくことは可能です。

自分で色んな立場を経験する

相手の反応を予想することも、相手に共感することも、やはり、どうしても、自分のこれまでの経験が発想の制約となってしまいます。

 一つでも多くの立場を経験することが、一人でも多くの人の立場に立てることに繋がるはずです。

自分が嫌だと感じたことを書き溜める

自分では気付かないうちに、相手を傷つけてしまっているようなタイプの人には、この方法がお勧めです。

書き溜めておかないと、自分が相手に同じことをやってしまっていたとしても、気付けないのです。

とにかく文字にしておくことが重要です。

まとめ

相手の立場に立って考えるための方法についてお伝えしてきました。いかがだったでしょうか?長文に最後まで目を通していただきありがとうございます!

もしよろしければ、

  • こういう時はどう考えれば良いのか
  • こういう相手にはどう接すればよいのか
  • この部分はもっと深堀りして欲しい
  • この部分は違うのではないか
  • もっと他にもこういう良い方法あるよ

などなど、読まれて感じられたことを是非、コメントやDMなどで教えていただけると幸いです。

この記事を読んでいただいた方の人生が、良い方向に向かうことを心より願っています。